自分へのご褒美にと、自分で自分へプレゼントをすることがある。
まぁたいていは美味しいお酒や食べ物など、消えモノが多いけれど、
サハラがまだ勤め人だった頃、6ケタのご褒美を買ったことがある。
それはマウンテンバイク。
今考えると、当時は自分でもびっくりするくらい仕事をしていた。
朝は9:30から始業し、ほとんど毎日終電での帰宅、時にはタクシーでの深夜帰宅も。
当然のことながら外食がち&運動不足と、体には良くない生活パターンに陥っていた。
これが後々アトピーを引き起こす原因のひとつにもなるのだが…。
これじゃぁいかん!と一念発起しマウンテンバイクを買った。
名前もハリケーンと、なんだかとっても速そう。
で、自宅からオフィスまでの通勤の足としてみた。
片道45分。
東京の街は車ではあまり感じないけれど、自転車で走ってみるとかなりの起伏があるのが分かる。世田谷、渋谷、代官山、青山とサハラの通勤路には、文字通り谷と山の多いこと多いこと。
最初の頃は「とんでもないことをはじめてしまった」と冷や汗モノだった。
自転車は道路交通法で車道を走ることになっている。一番歩道寄りの隅っこを走っていても、トラックに幅寄せされたりクラクションを鳴らされたりすることが多かった。マウンテンバイクに慣れずヨタヨタ走るサハラは、トラックから見たら危険物だったと思う。
ある時、路地から飛び出してきたママチャリとぶつかった。坂を下ってきたその自転車には勢いがあり、横からぶつけられたサハラは車道まで飛ばされた。幸い擦り傷で済んだけど、ぶつかったオバチャンはサハラよりも自分の自転車を心配していた。おいおい、それはないんじゃないの。(路地から出るときは一旦停車しましょう)
そういえば、カラスに襲われて木にぶつかったこともあったっけ。
けっこう怖い思いもしたけれど、2ヶ月が過ぎる頃にはマウンテンバイクでの通勤を楽しめるようになった。いつもなら地下鉄で通り過ぎてしまう街を、マウンテンバイクごしの視線で見ることは発見の連続だった。
深夜の代々木公園沿いを通過すると、トランペットやサックスなど管楽器の音色が聞こえてきたり、代官山のブティックでは閉店後、ウィンドーのディスプレイを替えていたりと、あちこちでガンバルヒトたちを見ることができた。サハラはビューンと走りながら、流れゆくたくさんの風景から元気をもらっていたような気がする。
最近はマウンテンバイクで走ることが少なくなってしまったけれど、
つい先日雑誌で素敵な記事を発見!
サイクリングマップの中に、サハラが住んでいる街から東京駅までのコースがあった。
そのルート上には「桜田門から入り二重橋へ抜ける」エリアがあり、ここは何と皇居の中なのだそう。おまけにベンチもあるから休憩ポイントにもいいだろう、なんてことも書いてある。
早朝サイクリングで皇居へ足を踏み入れる、これは中々面白そう。
近いうち、さっそく走ってみようっと。